小口現金の処理をイラストで解説!
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小口現金とは?
大きな企業では、経理部、営業部、企画部など、多くの部署があります。
お金の管理は経理部が行いますが、
営業部の担当者が出張するための切符を買う時などに、
いちいち経理部まで行って現金をもらうのは大変です。
そこで、営業部や企画部などの各部署に、あらかじめ少額の現金を渡して、電車代などの細かな支払いは、このお金でまかなってもらいます。
このお金のことを小口現金と言い、これを管理する人を小口現金係(小口係)と言います。
小口現金の流れ
小口現金の資金の流れは、①~④の通りです。
- ①会計係は、一定の小口現金を、小口現金係に前渡しします。
- ②小口現金係は、文房具代、電話代、電車代などの各種支払いをします。
- ③小口現金係は、一定期間(通常、1週間や1ヶ月)が過ぎると、会計係に②の支払いを報告します。
- ④会計係は、小口現金係が使った額と同額の小口現金を、再び補給します。
このような小口現金の運用の制度を、定額資金前渡制(ていがくしきんまえわたしせい) またはインプレスト・システムと言います。
上記①、③、④の時は、勘定科目『小口現金(資産)』を使って仕訳します。
なお、簿記では②(支払い)の時は仕訳を行いません。
②の分の仕訳は③(会計係に報告した時)にまとめて行うルールになっています。
[ 『小口現金』が増えた時 ]
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
小口現金 | ○○○ | △△△ | ○○○ |
[ 『小口現金』が減った時 ]
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
△△△ | ○○○ | 小口現金 | ○○○ |
小口現金係が使う費用には次のようなものがあります。
- 『旅費交通費』(電車代、バス代、タクシー代など)
- 『消耗品費』(文房具代、コピー用紙代、封筒代など。封筒代は『通信費』ではなく『消耗品費』です。)
- 『水道光熱費』(水道代、ガス代、電気代など)
- 『通信費』(切手代、電話代、携帯電話代など)
- 『修繕費』(備品の修理費用など)
- 『雑費』(お茶代、新聞代など)
[ 『旅費交通費』が増えた時 ]
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
旅費交通費 | ○○○ | △△△ | ○○○ |
[ 『旅費交通費』が減った時 ]
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
△△△ | ○○○ | 旅費交通費 | ○○○ |
『○○費』となっている場合は費用の勘定科目と覚えましょう。
例題1
ペンタ社は、定額資金前渡制を採用し、小切手2,000円を振り出して、小口現金係に渡した。
例題2
小口現金係は、文房具代200円を支払った。
例題3
ペンタ社の会計係は、小口現金係から文房具代(消耗品費)200円、電話代(通信費)800円、ガス代(水道光熱費)500円を支払ったとの報告を受けた。
例題4
ペンタ社の会計係は、小切手1,500円を振り出して、小口現金を補給した。
理解度に応じて、ふせんの色を変更しましょう。
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小口現金の処理をイラストで解説! | 今ココ! |
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問題1 小切手の振り出して小口現金係に渡す | 8分 | ||
問題2 報告を受けて小切手を振出補給 | 8分 |